「美海…」
遠くの海を見ながら美海を思い出す。
本当は一緒に来たかったな。
美海がこの世を去ってから今日で七年。
お弁当を片付け、美海の大好きだったバームクーヘンを取り出す。
「美海…今行くね」
海に背を向け来た道を戻ろうと、歩き始めると…
──トコットコッ
誰かがこっちへ向かってくる。
誰だろう?珍しいな、ここへ人が来るなんて。
しかも走ってる…よね??
急いでるのかな??この先には何もないのに…
少し怖くなって木の陰に隠れる。
「はぁはぁ…あれ?なんでいないの!」
んん?この声は…
「お姉ちゃん??なんでここに…」
「美虹!!お墓参りなんだよ!またここに来て本当にあんたって子はぁー…」
「あ、ごめんね、つい」
「まぁいいよ、早く行こう!!」
「うん」
私とお姉ちゃんは2人で美海のお墓へ向かった。