初恋story 

「そう、無理しなくていいからね。さっ、早く教室に行きましょう」
「はい」
私は先生と教室に向かった。

「形容詞は…」
1時間目は奏が苦手な国語。
頭を押さえて考え込んでるような素振りを見せる。
「ねぇ、美虹」
後ろをくるりと振り返り、私に話をかけてくる奏。
そう、わたし達のクラスは夏休み明け席替えをしたから、奏と私は席が前後になった。
しかも窓側の後ろ。
「ん??」
「緊張して集中できない…!!」
「えぇ??前向いてれば大丈夫よ。せんせいに怒られちゃうから、ほらっ」
「はーい…」
奏が前を向くのを確認して、私は窓の外に目を向ける。
窓の外では体育が行われていた。それに、亮羽くんのクラス。
50メートル走をやっている。
亮羽くん、足早いのかな?