初恋story 

ハルちゃんは私の目を真っ直ぐに見て言った。
「ハルは亮羽を幸せにできません。亮羽を幸せにできるのは──…」
──キーンコーンカーンコーン…
チャイムの音でハルちゃんの最後の方の声が聞こえなかった。
「ハルちゃん、今なんて…?」
「頑張ってください。ではまた。報告待ってます!急がないと先生きちゃいますよー!」
ハルちゃんは私の言葉を遮り走って行ってしまった。
腕時計を見ると8時25分と示されていた。
「わっ、やばい!」
あと5分で先生が来ちゃう!!
急いで上履きに履き替えて教室に向かおうとすると…
「あら、坂本さん」
はぁ…先生に捕まった。
「おは、ようございます…」
「おはようございます。体調はスッキリしたかしら??」
うわぁ。なんて優しい先生なんだろう
「あ、はい。大丈夫です。お母さんに、辛くなったら早退して来なさいって言われたんですけど…大丈夫なので」