初恋story 

涙がハルちゃんの頬を伝う。
「ハルを見てくれないんです…亮羽はずっとその人を見ています。今もずっと。そして、亮羽とその人は…両想いなんです。ハルの勝ち目なんてどこにもない。ハルは二人を引き離そうとしました。邪魔しました。でも亮羽に怒られちゃったんです。亮羽が怒るところ初めてみました。ハル、怒られて思ったことがあるんです。“あぁ、亮羽はその人のことがすごく好きなんた”って」
涙を拭うハルちゃん。
そしてニコッと微笑む。
…全然、笑えてないよ。作り笑いだってすぐにわかるよ。無理して笑わなくていいんだよ。
「ハルちゃん…」
「慰めはいりませんよ??ハル、強いんですから。美虹さん??美虹さんは亮羽のこと好きですよね?ハルは引き下がります。亮羽を美虹さんに頼みます。なので二つお願いがあります」
ハルちゃんは私に答えを聞かなかった。私の気持ちを知っているかのように…
だからあえて私も否定しなかった。
「うん?」
「亮羽に美虹さんの気持ちを伝えてください。そして、亮羽を傷つけるようなことをしないでください。」