初恋story 

学校に着くと、ハルちゃんが私のところへ来た。
「ちょっといいですか。話があります」
今日のハルちゃんはこの前とは違ってどこか寂しそうな顔をしていた。
「奏、先行ってて?」
「うん、わかった。もし遅くなるようであれば先生に行っとくから」
「ありがとう」
奏を見送ったところで、ハルちゃんと場所を移動した。
人がいない校舎裏でハルちゃんは後ろを振り返った。
「美虹さん…この前はごめんなさい。つい勢いに任せて暴言を吐いてしまいました」
ハルちゃんは深々と頭を下げた。
「ハル、昨日亮羽に告白しました。返事はわかっていました。フラれるって知ってました。小学校から同じ亮羽は、入学してきたその時から好きな人がいました。誰を見てるかもハルは知ってます。ずっと見てたから」
そこでやっと顔をあげたハルちゃん。
その目にはうっすらと涙が浮かんでいる。
「ハルは、小学校の入学式のとき亮羽を好きになりました。ハルが亮羽にアピールしても、アタックしても亮羽は振り向いてくれないんです」