初恋story 

朝ごはんを済ませ、身支度をしているとあっという間に時間は過ぎた。
お姉ちゃんはとっくに行っちゃったから、テレビや電気をすべて消して家を出た。

「やっほ」
玄関を開けると目の前に奏がいた。
「おはよう、奏」
ニコッと微笑んで見せると奏はニヤーっと笑った。
「恋する女の子はやっぱり違うねぇ。美虹元が可愛いくせに、恋したせいでもーっと可愛くなっちゃって!ずるい!私にも分けてよねっ」
ぷいっと横を向く奏。
「別にいつも通りだけど…そういう奏は好きな人いないの?」
私が尋ねると奏は目を大きく見開いた。
「え、えっとぉ…いない、かなー??あはは」
明らかに不自然な奏。
「いるんでしょ、奏嘘つくの下手!!」
「…バレた??もー。ちゃんと整理してから教えようと思ってたのに」
はぁー。と深いため息をついた奏。
「私の好きな人、“佐藤佳也”だよ」
佐藤佳也??あ、同クラの!!
…ってあれ??
「奏、席となり?」