初恋story 

「大丈夫だよ。学校行く」
にこりと微笑むと、お母さんもニコリと微笑み返してくれた。
「そう、無理しないのよ。お母さん仕事行ってくるわね。辛くなったら早退してらっしゃい」
「うん、いってらっしゃい」
お母さんを見送り、制服に着替え荷物を持ちリビングに行く。
「お姉ちゃん、おはよう」
「美虹おはよう!!目の腫れ治まったんだね」
ニコニコと笑うお姉ちゃんは純粋で、素直に可愛いと思う。
「うん。体調も良くなったから学校行く」
「そっか!!」
だけど、少しハイテンションな性格だから私とは正反対なわけで…
「うん…」
少し羨ましかったりもする。フレンドリーで男女問わず人気者の姉。それに対し妹の私は、少し人見知りするし、“美人過ぎて近づくのが恐ろしい”って言われる。美人じゃないし、みんなと同じように扱って欲しいのに。
みんな私を腫れ物に触れるように扱う。だからそれが少し私を臆病にさせるんだ。
もっと普通に暮らしたいよ。