美海の写真を見つめながら、ゆっくりと話す。
「恋ってね、私もまだ良く分からないんだけど…すごく辛くて、苦しくて、胸が痛くなるの。だけど、すごく幸せで、毎日が楽しくて…恋って“矛盾”ばっかりなの。恋にはね、“片想い”と“両想い”ってあるの。片想いは両想いとは違ってすごく辛い。自分が相手を想っても、相手は違う人を見てるの。でもね、美海。片想いってすごく素敵なことなのよ??“失恋”だってわかっていても相手の事をずっと好きでいるのよ??すごくすごく、素敵なことなの。両想いはね、二人の想いが“重なる”こと。片想いとは違って、相手も自分もお互いのことを想い合うの。“好き”が“大好き”に変わって、“付き合う”。そして…“大好き”が“すごく大好き”に変わってお互いを知る。“すごく大好き”が“愛してる”に変わったとき……二人は一つになる。“結婚”になるの。美海…わかるかな。恋は時に人を辛くさせて、時に人を幸せに導く。私達のお父さんとお母さんもだよ。恋をして結ばれたから、私達が存在するの。感謝しなきゃね…」
写真の中の美海はすごく笑顔で笑っている。曇りひとつないこの笑顔。
…美海にも恋をしてもらいたかった。
たくさんのことを知ってもらいたかった。