亮羽くんと出会ったあの日、初めて男の子を見て“かっこいい”って思ったこと。
夏休み明けのあの事件があって少しモヤモヤしたこと。
昨日の事件からずっとリピートされる亮羽くんの言葉のこと。
今日、目の前で最上級生と思われる子達のやり取り見て、亮羽くんとハルちゃんとかぶって涙が溢れてきたこと。
それがすごく辛かったこと。
亮羽くんを独り占めしたいと思ってしまうこと。
このことをすべて奏に打ち明けた。
話し終わった私はまた、“理由がわからない涙”が溢れてきた。
「辛い…よっ」
泣きじゃくる私を奏は優しい眼差しで見つめていた。
奏が優しく背中をさすってくれる。
こんなこと言ったらバカにされるかもしれないけどなんだかそれがすごく落ち着いた。
「美虹?美虹はもう自分の気持ちに気付いてるんじゃないかな」
少し落ち着いてきた私に、優しく言葉をかけてくれる奏。
「わかんないっ」