初恋story 

「私っ、あのねっ…レンくんのことが…ずっとずっと好きだったっ」
顔を赤くしながら彼女は勇気を出して言葉を発した。
それに対し彼は………
「顔、赤い…」
彼も顔が赤い。
…ってことは彼も彼女のこと…
「好き…」
「えっ??」
「俺も、ユウナのこと好き…」
二人して顔を赤くする最上級生と思われる小学生を家の中から盗み見る。
「ユウナ…俺、まじだせぇ…」
「え??」
「俺から伝えるつもりだったのにさ…ユウナに負けちゃった」
はははっと苦笑いする彼。
「…っ」
彼が亮羽くんと重なって見えた。
その瞬間またあの言葉が蘇る。
──違うよ。俺の片想い
──…ごめん。俺、その人以外考えられない
目の前で彼と彼女が抱き合ってるのが目に入った。
それが亮羽くんとハルちゃんと重なってしまって見てるのが辛かった。