夏の日差しが照りつける中、私は一人ある場所へ向かっていた。
もう少しで腰に届きそうな私の髪を生暖かい風が揺らす。
──チュンチュンチュン
──ざぁぁぁー……
鳥のさえずり、川のせせらぎ、風の音、自然の香り。
久々に通るこの道は、少し寂しさを感じさせる。
木のトンネルをくぐり抜け、目的の場所にたどり着いた私は大きく深呼吸をする。
「ふぅー…」
やっぱり好きだ、この場所。
私の住むこの街がすべて見渡せる。なんて素敵な場所なんだろう。
この場所も、この街も。
遠くの方には海が見える。
透き通るような綺麗な青。それがどこまでも続いている。
7年も行ってない海。いつかまた行こう。
ぐぅぅ…
お腹がなり時計を確認すると12時半を示していた。
もうお昼か。
近くのベンチに座り持ってきたお弁当をバックから取り出し食べ始める。