でも、顔に出さないようにしないと。
「いいですよ、日も暮れてきてますし」
そういうとにこりと笑って歩き出した。
これがいつか、“恋人”としてになることはあるのかな。
そんなことを考えていると、横から顔をのぞき込んできた美虹さん。
何かと思えば…
「名前なんていうの?」
やめてくれ。やめてくれよ。
そんなこと聞くなよ…
「高村亮羽です。あなたは坂本美虹さんですよね?」
「え!なんで?!」
ずっと見てたから、なんて言えないよなぁ。
横であたふたする美虹さんを見て愛おしくおもえた。
でも…
「なんでだよ…」
「ん?なんか言った?」
「あ、いえ。近所なので」
「近所だったんだ。なんか知らなくてごめんね」
申し訳なさそうな顔をする美虹さんに「大丈夫ですよ」と笑って見せると、美虹さんは安心したように笑ってくれた。
その笑顔は反則だぞ…