「あっ」
突然声を出し、俺の手を見る。
手というより俺が持っているもの。
「っ…」
目が合うとわざとらしく逸らされた。
なるべく平然を覆って…
「これ、あなたのですか?」
俺が問うとこくんと頷く美虹さん。
やべぇ、可愛すぎ…
「よかった」
水筒を渡すと、美虹さんは「ありがとうございます」と軽くお辞儀をした。
「中学二年生ですよね??」
「うん…??」
「俺、中一です。同じ学校です」
俺の事、知ってますか??
「嘘?!高校生かと思いました…」
申し訳なさそうな顔をして言う美虹さん。
「あはは。そんなに老けてます?」
「いや!ちがくて!大人っぽいなぁと…」
「それはこっちのセリフですよ。あなたこそ大人みたいです」
雰囲気が、性格が、何もかもが俺より上なんですよ…
「あ、の、良かったら一緒に帰ろうよ」
今の美虹さんが?!
やべぇ、超嬉しい。