「……うん。わかった」




言ってから後悔した。

プライドとか捨てて、
泣きすがればよかった。

悠翔が好きだって

別れたくないって。


「…でも、まだ上手く理解
できてないから、
気持ちが落ち着くまで
待っててもらっていいかな。」


私はこれ以上泣くまいと、強がった。


でも途切れ途切れにしか話せなくて。





これが、私の、最後の強がり。




「…うん。


じゃあ、すずかの誕生日」



悠翔は何事もなかったかのように、
いすに再び座った。



「どっか、行こうか。

そんで……



お別れ。」



少し間があった。


その間が悲しくて。



「そう、だね」



でも、悠翔は笑顔だったから。


私も精一杯の笑顔で返す。