フウカに誘われて見学した美術室は、案外汚かった。


絵の具でごちゃごちゃしてるし、作品がいっぱい飾られてて邪魔だし。

机だって落書きされてる。


「かわいそう……」


本当に部活なの?
遊んでるようにしか見えないんだけど。


「朝比奈さん、この人が顧問の北原先生なの」

声がする方を向くと、フウカと、若い男の人がたってた。


「北原 祐です。よろしくな。新米だけど」


ソイツの第一印象は、めんどうな奴だった。


体育会系みたいに熱いわけじゃなくて、
冷めてるわけでもない。


要は、何を考えているかよくわからない。


一番めんどうなタイプだ。