絵描いたり、歌歌ったり……。

そんなことばかりしてたら、やっぱりお母さんの言う通り、成績は良くなかった。


美術部も何度もやめなさい、って言われる。


「奈々、あんたどうするの。進路は」

「……」

「決まってないのなら、せめて市内の私立高校に行きなさい。そしたら、大学までエスカレーターで行けるから」


進路は確かに決まってない。

でも、将来の夢はある。


私、教師になりたいんだ。
できれば、美術か、音楽の。


お母さんにはまだ言ってない。