…目を覚まし、伸びようとしたけど、それは無理だった。

誰かに抱きしめられ、身動きが取れないのだ。
…‼︎目線を下に向けた私は、自分の格好に驚く。
…だって、ぜ、全裸なんだもん!

それと同時に不安が押し寄せる。
…私、誰とヤッたの?!

恐る恐る、相手の顔を…

「…起きたか、酔っ払い」
真顔で言われた。…いや、ちょっと怒ってる…いやいや、めっちゃ怒ってる。

「…大谷さん、私なんで、こんな格好に」
そう問いかければ、修は、不敵な笑みを見せた。

「…昨晩は、熱い夜を過ごしたな」
「…お、襲ったんですか?!酔っ払いの私を」

ピン!
…突然、デコピンされ、咄嗟におでこを押さえた。

「…バカ。彼女を襲う彼氏がどこにいる?」
「…だって」

「ベッドに寝かせたら、お前が突然襲って来たんだろ!」

…全然覚えてない。

「…こっちは必死に理性保とうとしてんのに、あんな顔して誘われたら、理性も壊れるわ」

…と、怒ってる。
私、一体どんな事したの?って言うか、よってない時に、したかった。

「…覚えてない、です」
目線を逸らして呟けば、修が私の顔を自分の方に向けた。

「…今から、思い出させようか?」
「む、無理、無理、無理!」

…墓穴を掘ったとは、まさしくこのことだ…