全部幸のお陰なんだ。 幸と離れた後も幸は俺のためになってくれた。 幸と会った時間は短くても、俺の中では幸はずっと傍にいてくれて…。 「ねぇ晴斗」 ふいに母に話し掛けられてびっくりする。 「今日の入学式で千葉幸美ちゃんて子いなかった?」 再びドキ。 何で今その話題を出すんだよ! 心の中で恨みの言葉を連ねる。 「あぁ、いた」 両親には幸の事を話したから、二人とも知っている。