「何ニヤニヤしてんの」


「…っ!」


晴斗の呆れたような声が聞こえる。


「もう少し今の状況を考えてくれてもいいんじゃねぇの?これでお別れなんだし…」


はっとして、今の自分の状況を思い出す。


今あたしは港?みたいな所にいた。


晴斗はここまでお見送りに来てくれたのだ。


「ご、ごめん!」


謝るあたしに、「ん」と晴斗が紙を差し出した。


「これは?」


「俺の住所」


「え?」


「手紙、寄越せよな」