「弟は、のぞみは、あんなんで死んでいいような奴じゃなかったんだ…!」 暫く黙っていた晴斗はそう言った。 あたしは晴斗の背中に手を添える。 冷たい。 冷たい晴斗の背中。 なんだか怖くなった。 「のぞみ…いい名前だね。どういう字を書くの?」 何を言っていいか分からなくて、そう尋ねた。 「希望の望に、海」 ぼそりと答える晴斗。 「それで望海君か。凄く良い名前だね」