「晴斗……」 パンッ! 「っ!」 伸ばしたあたしの手は晴斗に振り払われた。 「晴……斗……」 ごめん。 ごめん。 晴斗、ごめん。 ごめんね。 晴斗……。 「ごめんね……」 あたしの声は、小さくて、小さくて。 晴斗に届いたか分からない。 晴斗はただ、 「悪い」 と呟いた。 それは、どの意味の「悪い」?