すると、それまでの会話を見ていたのか、由美子さんが、


「晴斗君、行って来ていいよ〜。ちゃー、しぐとぉちゃ〜んとしてくれてるからね〜」


と言った。


あたしは目線で晴斗に通訳を求める。


「いつも仕事ちゃんとしてるから、行って来ていいよって」


晴斗はすらすらと答える。


「じゃあ、行こう?」


あたしは晴斗の手に触れた。


晴斗がまたピクリとする。


晴斗の手、あったかい。