白いサンダルを履いた幸が家から飛び出して来た。


「どうした?」


俺も幸へ駆け寄る。


「あのね…私…はぁ…」


「ゆっくりでいい。走るの、久し振りなんだろ?」


「うん…あの…私…明日から…学校行ってもいいかな?」


「当たり前だろ!」


つい、俺は幸の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。


「俺、毎日幸の事待ってたんだからさ!」


「ホント?」


ぱっと幸の顔があがる。


「おぅ!明日、朝迎えに行くから、寝坊すんなよ!」


「うん!」


幸の笑顔を、久し振りに見た。