部屋がパット明るくなる。 俺は部屋を見て驚いた。 引越して来てそのままのように、部屋にダンボールが沢山あるだけで、部屋は生活感がなかった。 「この子、引っ越してきてからずっと部屋にこもりきりだったから」 里美さんは俺の表情を読み取ったのか、そう苦く笑った。 「この子、ずっと泣いてたよね。部屋の外から何話してるかは聞こえたんだ。ありがとう、晴斗君」 「え?」 「この子を、お父さんの死と向き合わせてくれて」