幸が泣き止んだのは、それから何十分か後だった。 何疲れたのか、俺の胸で目頭からまだ涙を流す幸を俺はまだ離さないでいた。 閉じた目は睫毛が長くて、すっと鼻筋の通った鼻は形が良くて、小さな唇はなんだか可愛くて、伸びた髪の毛は真っ黒でさらさらしている。 俺が幸が変わったと思ったように、幸も俺を変わったと思っただろうか。 まぁ、それは後で聞いてみよう。 幸が起きたらもう一度ちゃんと話をしよう。