けど、幸は嫌がらなかった。 ただ、泣いた。 「幸…幸…大丈夫。大丈夫だよ」 俺は幸の頭をポンポンと撫でながらずっと、そう呟いた。 「手紙が来なくなった時、俺が会いに行けばよかった。もっと幸の心を知ろうとすれば良かった。返事が来なくたって手紙出し続ければ良かった。幸は何も悪くないよ」 幸のお父さんの話を聞いた時から、ずっとそう思ってた。 そしたら、幸はこんなに苦しまなかったかもしれない。