「ごめんね。幸、本当に出て来なくて」
「いいんです。これだけで諦めようなんて思ってません」
帰り際、こんな話をした。
「あの、また明日も来ていいですか?」
「もちろん。毎日でも来てね。私も久しぶりに晴斗君とお話出来て嬉しかったわ」
微笑む幸のお母さんに、俺は躊躇しながら聞いた。
「あの、あと、聞いていいのか分かんないんですけど、さっき、駆け落ちって…」
「あぁ、覚えてたのね」
少し困り顔で笑う幸のお母さん。
「す、すいません!いいんです。聞かなくて」
慌てて謝ると、
「いいのよ。晴斗君には、話しておこうかな」


