そう言いながら涙を拭う幸のお母さんを、ただ見ている事しか俺には出来なかった。 幸のお父さんがいない。 幸のお父さんが死んだ? 「そんな…」 やっと出た声はか細くて。 弱くて弱くて。 優しそうだった幸のお父さん。 幸と仲良くしてくれてありがとうって微笑まれた事もある。 幸と、幸のお母さんを大切にしてて、愛おしそうな目でいつも見てて。 生意気だった俺にまで優しくしてくれて。