「いえ、全然大丈夫です」 俺はお茶を開けて一口だけ飲んだ。 「幸とは、話したの?」 「あ、昨日少しだけ。けど、俺だって気付いてない時だったんで、気付いたら話してくれなくなっちゃいました」 「そっか」 幸のお母さんはやっぱりなというように頷いた。 「あの、」 俺は思い切って声をかけた。 「手紙が、来なくなったんです。去年、急に」 幸のお母さんは何も言わない。 「何があったんですか?」