三日恋〜晴と雪の恋物語〜


「飲み物持ってくるから、少し待っててね」


そう言って幸のお母さんは部屋から出て行った。


部屋に一人になり、急に静かになった気がする。


この家のどこかに、幸がいるんだよな。


昨日の幸を思い出そうとする。


けど、昔の幸の顔しか浮かんでこない。


長い黒髪は思い出せる。


丸い目も思い出せる。


病的な程白い肌も思い出せる。


けど、細部まで思い出そうとすると顔が浮かばない。


昔の幸の顔が浮かんでくるんだ。