三日恋〜晴と雪の恋物語〜


幸のお母さんが玄関の鍵を開ける。


「どうぞ」


「おじゃまします」


幸のお母さんが扉を開けてくれているうちに玄関の中に入る。


引っ越してきたばかりからか、荷物があまりない印象のある中だった。


「幸は、多分降りてこないかな。こちらへどうぞ」


案内されたのは畳の部屋だった。


「床の部屋も欲しかったんだけど、引っ越してきた家だから改築するのも大変かなって思ってね」


俺に座布団に座るように言いつつそんな話をする。