俺は一度お辞儀をすると、 「青山晴斗です」 と挨拶をした。 予想通り、幸のお母さんは驚いた顔をする。 「中一の夏、お会いしたことがあります。覚えていますか?」 そう言うと、幸のお母さんは近寄って来て微笑んだ。 「晴斗君か…。もちろん覚えてるわ。三年くらい前ね。大きくなったのね」 確かに、幸のお母さんよりも俺の方がだいぶ大きい。 「久しぶり」 「はい。お久しぶりです」 少しの沈黙の後、 「上がってく?」 と聞かれた。