ピンポーン

日曜日の午前

ワタシはいつものように
彼のアパートのチャイムを鳴らす。


「はーい」
そう言って彼は部屋の扉を空けてくれる。


「おじゃまします」
「どうぞ」


1LDKの小さなアパート
そこが彼の城。

入り口のノブなんて、
力の強い男の人がひねったら
簡単に取れそうな質素なもの。


でも、いつのまにか
そんなこと
どうでもよくなってしまった。