「もう、いっつも、そうなんだから」

彼女はかけているめがねを取ると
メガネケースに入っている
布でめがねを拭き出した。



ぼくの彼女は
ちょっと不安になると
こうやって、
いつもめがねを拭き出す。


人前でも構わずに
めがねを取って、拭き出すんだ。



ぼくは、
そのめがねを取った彼女のことも
好き。


自分の気づいていないところで
ぼくはこうなることを望んでいたのかもしれない。