考えたこと…なかった。

生まれたときから私の世界は白黒で、それはもうどにもならないと思ったから

それに考えたくもなかった…

私の知らないなにかで溢れているなんて

知りたくもなかった…から。

「…考えたことなんて…ない。」

私の口から漏れた小さな小さなこの言葉は龍に届いたのだろうか

前を向くと、龍はやっぱり美味しそうにケーキを食べいた

私も…食べよう………

私の持っていたフォークがケーキに綺麗にささり、一口口の中に運ばれる

生クリームの甘さと苺の甘酸っぱさが絶妙なバランスだと思った