まるでそこに誰もいなかったみたいに

嫌だな……この空気

久しぶりに感じる冷たい視線と皆の笑い声

「めぐ…。」

そう声をかけて私の目の前に一人立っている彼女の姿が目に入る

必死に笑顔を保とうとしながらもその奥には今にも溢れ出しそうな涙が微かに見えたような気がした

「……ひろか……」

私の口からはこの言葉しかでなくて、その声すらも彼女に届いたのかわからないくらい小さい

それでも彼女は目に涙をいっぱいに浮かべて私を見て微笑んだ

そしてその涙は彼女の頬を伝う