少し、気になりながらも、学校にいる間は母親のことを忘れてしまい、急ぐこともなく、家にいつも通りに向かった。



鍵を開け、ドアを開けた瞬間、目を疑った。


母親がドアの前で倒れていたのだ。


とっさに、母親の顔を見ると、涙でぐちゃぐちゃだった。


よく見ると、手には血もついている。


思い当たることがあったので、ドアをみて見ると、案の定、ドアには血がベッタリとついていた。


あの時は、ドアノブをやっていただけだったが、あの後、ドアをずっと叩いていたみたいだ。


…よく、近隣住民は来なかったな。


普通、こんな状態で外に向かって、怒鳴っていたら、近隣住民の誰かしらには聞こえているだろう。


それとも、聞こえてはいたが、無視していたのだろうか。

本当に聞こえていなかった場合もあるが…どっちにしろ、こんな状態の母親を放置することも出来なく、仕方がなく応急処置を済ませ、ソファーに寝かせた。



それ以来、ドアには鍵を閉めずに出掛けている。