私達の赤い日常

立て続けに理解し難い事がおき、ただその姿を見て何もできないまま突っ立っていた。






重い沈黙がながれ
やがて玲奈は…






ブンブンッッッ!!!!






大きく激しく頭を振り始めたのだ!






「あ、綾香!!玲奈おかしいよっ?!ど、どうなってるの?!」






腰が抜けてしまったのか、教室の床にペタんと力なく座っている千聖が泣きながら私に訴える。





「そ、そんなこと言ったって!うちにもわかんないよっ」






その間にも玲奈は頭を降り続け....
時たま笑顔を見せるのだ…





血だらけで頭を振る玲奈はもう、化け物にしか見えなかった....





「綾香ぁ...に、逃げないと....」


「わ、わかってる…でも足が...」






逃げないといけない状況なのは分かった。


でも、足が動かないのだ。膝が今までにないくらい震える。








「あ…あ゛あ゛.......ひゃっひゃっ…ゔぁ゛ッッッ....あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」












玲奈が…....物凄い勢いで叫んだ。






そして頭を振る行為に加えて肩が大きく上下し足が地団駄を踏んでいるように教室の床にドンドン打ち付けられる。











異様過ぎるその行為に私は絶句した。
















「あ゛あ゛...いっ、いやっ!!!はやくっっ、逃げ....っっ…ああっあ゛」









不気味に枯れた声に混じって、一瞬ではあるが確かに玲奈の声が聴こえた。





と、判断した瞬間、ブンブンと振り回し続けた頭は糸がぷつりと切れるように首からちぎれ、
教室の低い天井にぶち当たった。











そして重力に従い落ちてくる赤黒く染まった玲奈の頭。










「「ぎゃああああああああっっっっつ?!?!?!」」








あまりにも突然のこの展開に頭は真っ白。





目にうつるのは玲奈の首から次から次へと溢れ出る真っ赤な鮮血。




それと、ゴロンと転がった頭。











目の前で人間が死んだ。








あまりにも悲惨な光景に意識を失いかけた。










(はやく逃げて!!!!)



















誰かの声が聴こえた気がした。
この声によって意識は飛ばずに済んだ。

それは千聖も聴こえたようで。

私と千聖は視線があった。









「千聖!にげるよ!!」





座り込む千聖の手を取り、教室のドアに向かって猛ダッシュ。





ってあれ??なんで走れてる??
こんなに膝はガクガクなのに...…







千聖も手は震えていて汗ばんでいるが、腰を抜かしたとは思えないほど軽々と走っている。








ーバンッッ






教室の後ろのドアを勢い良く開ける。







その時だった。








「ま゛ってヨ゛…....いかなィで...…綾香ぁ゛....千聖ぉ゛...」








....え?誰が話しているの....?

玲奈は首が取れたでしょ…....?


一瞬ですべての筋肉が硬直し
凄まじい恐怖を覚えた。



背後からのその声に無意識に振り返ろうとした時。









(振り返るな!!!走れ!!!!)







また声がした....!





その声は私達を守ってくれるような気がして、

素直にその指示に従い、訳も分からないまま長い廊下を抜け、生徒玄関をでた。






ーーーーーーーーーーーー



校門を抜けるとき、背後から
「チッ」
と舌打ちが聞えた。




誰が舌打ちなんて....。
....千聖は今、私の目の前で座り込んで、はぁはぁ息切れしてるのに…








....千聖には、その舌打ちは聞こえないようだった。

それを千聖に告げることなく、
私達は息を整えた。







怖かった。怖すぎた。信じられない。どうしたら良いのか。







気づいた時には2人とも涙を流して顔がぐしゃぐしゃになっていた。








外はもう真っ暗。
生暖かい風が私達を包んだ。







....ん?


どうして…学校も真っ暗なの....?


そんな疑問を抱いた。








心地が悪くて、気持ち悪くて。

















これは、悪夢の幕開けだったようだ…。