私達の赤い日常

妙に汗ばむ夕暮れの夏。夕日が差し込む新校舎の教室。カーテンが風で大きく揺れていた。




「ねー?玲奈まだかえらないの??」
「もう6時半だよ??もう帰ろ?」


千聖と私(綾香)はいつも一緒にいる玲奈に呼びかけた。でも返事はない。私達の三人しかいない教室で私達が呼びかけた声はただ虚しく響いていた。




「.......あ…あ....」





時間が数秒たってから玲奈は意味不明の声を発した。そして 明らかにいつもと違う玲奈の表情が見えた。生気がないというか...ぼーっとうつろで、まるで魂が抜かれたように見える…。どうしたのかな....。


「あっ…あ゛あ゛.......」

「なに??なんて言ったの?大丈夫?暑いの??具合悪い?」




心配症で優しい千聖は玲奈に駆け寄り背中をさすった。

それでも繰り返される、枯れたようなかさかさの低い声。玲奈の発する奇妙な声に私は不安と疑問を抱く。



「れ、玲奈?大丈夫??」

私と千聖は玲奈の顔をのぞき込んだ。







「きゃっ?!」




な、なにこれ。怖い....やだ、え、どういうことなの?頭が混乱した。

千聖は言葉を失い、血の気が引いているのがわかる。




目の前にいる玲奈の顔は…

苦しいくらい私達にショックを与えた。








.......玲奈の顔中に直径2,3mm程の無数の穴が空いていて、目は白目が消え、黒目でいっぱいになっていたのだ…。




考えてもいなかった現実を目の当たりにし、心臓が大きく飛び跳ねる。


「な、なによこれっっ」


叫び声とともに、玲奈を驚く目で見つめていた私の見開いた視界に、真っ赤な液体が映り込んだ。





「きゃああああああああ!!!!!」






高く大きな声で叫び出した千聖。



....な、なんなんだ...理解できない…
どうして....血が?!
よくよくみるとそれは、口から吹き出されたもののようで...





なにがなんだかわからないが
必死に玲奈の肩を揺らす。胃の中からこみ上げてくる物を外に出さないように堪えながら...






そして、数秒の間、玲奈はうごきをぴったりと止めたのだ。微動だにしない。まさか玲奈は…死んでしまったのか....?