ガチャっ
「いってきまーす!」
向かいの家のドアが空いたと同時に中から奏が出てくるのがわかった。
「っつ…」
奏がオシャレしてる。
いつも、可愛いけど今日は一段とかわいい。
「似合ってんじゃん、かわいいよ」
という、セリフの代わりに
「ぷっ…ー」
あー、なんで素直になれねーんだろ。可愛いっていってやれば喜ぶだろ?
俺って情けないな。
予想してた通り、俺のことを無視して
むすっとした顔で行ってしまった。
服装からして男子に会うんだなということは、俺でもわかった。
チクンっ…
胸が痛い。俺だって、俺だって…