「〝お母さんが起こしてくれなくて″とでも言っとけば?」







「な゛ッ?!それは今回も本当なんだよ!!実際そうなんだよっ!!」






「はいはい。」






私の言うことに相変わらず聞く耳を持ってくれない新は学校に向けて歩き出し、私と悠夜も横に並ぶようにして歩く








「つーか、卒業式の日まで寝坊とかほんとありえねー女だなー」








「したくてしてるんじゃないもん!」






「紗羅は式って日は寝坊が恒例だもんね」






そう。今日は私達の高校卒業式







色々あった高校2年のあの時から、気付けばあっという間にこの日を迎えた








3人で歩く毎朝の道のり






左に新

右に悠夜





毎朝こうして3人でこの道を歩いてきた







私にとっては譲りたくない大切な時間大切な居場所







それも、今日が最後なんだ・・・








「私・・・2人と幼なじみでよかった」







しんみり考え込んでポソッと呟く私に







「は?何今更。きも」






・・・と引き気味の新