「ごめんっ」






「っ任せろ」






ビリになった瞬間、新に引き継がれる赤いバトン







私がレールから外れたところへ座り込むと駆け寄ってきてくれる一緒に走った赤組の人たち







「紗羅ちゃん大丈夫っ?!」







「凄い血が出てるっっ」






心配・・・してくれるんだ・・・






「うん・・・ごめんね、皆」








「うん、大丈夫だよ?だってアレ」






皆の笑顔の先には何故かもう3位にまで上り詰めている新







「うっそ・・・」







なにあれ・・・







「・・・速ッ」






ゴールまであと少しの距離で新の目の前を走る他の色の人たち







思わず願う



〝頑張れっ届けッッ″











ゴールの瞬間が怖くて目をつぶるとパーンッッと聞こえてくるピストルと共に一瞬静まった後、〝わあぁぁ″っと大きな歓声がグラウンド中から聞こえてくる







恐る恐る目を開けると満面の笑みでゴールの先で息を切らして座り込む新が瞳に映った