新と悠夜の事は、冗談だろうけど







でもどちらにせよ悠夜の好きな人・・・わかってないままだし・・・







由羅のことは・・・









見なかったことにも聞かなかったことにも出来ない現実に溺れそう・・・








「紗羅、もうここまで来たら覚悟決めるしかないよ!」







「覚悟??」






体育祭真っ最中、赤い鉢巻を揺らして人差し指を立てる楓







「そ!好きな人を好きと認める覚悟」







「なっ?!」






「紗羅は誰が好きなの?」







応援団の声と、放送委員担当の実況が響き渡るグラウンドで変な汗を浮かべる








「私はっ・・・












・・・言えない・・・ー」







口に出してしまったらまた何かが大きく動いてしまいそうで・・・








「紗羅?周りのことは何も考えないで。紗羅の気持ちだけを吐き出してみて?」







いつも手厳しい楓の優しい声に心が揺れ動く







「わたしっ・・・」







みていられなかったっ







「嫌だったっ。目を逸らしたくなった。・・・由羅から・・・。」






あの日を境に毎日悠夜の隣で幸せそうにする由羅を見てられなくて








家でも明らかいつもとは違う態度で悠夜に接する由羅から目を背けたくなった