リサが泊まりに来て案の定
勉強はあまりはかどらなかった




「ねー、茜はホントに好きな人いないのー?」

「もー、いないってば!」

「そんな事いって~、じゃあ好きなタイプでも教えてよ!」

「う~ん、そうだなぁ…強いて言うなら
優しくて甘いもの好きな人!一緒にスイーツとか食べられるじゃん?」

「えー、もっと詳しくいいなよ!」



といった風に私たちはガールズトークに花を咲かせていた




「ねねっ、蒼生先輩の誕生日っていつなの?」


突然話題は湊くんへ移った


「えっとー、10月3日だよ。そういえば、もうすぐだね。」

「10月3日って、あと3週間程じゃない!どうしよう…プレゼント渡したいなぁ」


リサは慌てだした

「茜~蒼生先輩が何欲しいかしらない?」

「湊くんの欲しいもの?んー…
あ!確かマフラーが古くなったって言ってたよ。」


登校している時に私が中学の時に初めて編んだ不格好なマフラーをまだ使ってくれている


「古くなった」とは湊くんは言っていないけど、多分私に気を使ってずっと使ってくれているのではないか、と最近思っていた

そうなると、早く別の新しいマフラーを使ってもらいたい


このさいリサが新しい物をあげてくれれば丁度いい



「マフラーか!いいね!手編みとか挑戦したいなぁ~」

「リサは器用だから出来るよ!」

「でもやったことないんだよねー。あ、このコースターって茜が作ったの?」


リサはマグカップの下に敷かれている
レース編みの毛糸のコースターを指差した


「うん、お母さんに教わって作ったの。」

「すご!可愛いと思ってたんだぁ!
マフラーも編める??」

「私は上手く編めないけど、手順なら分かるよ。」

「ほんと?!じゃあ茜教えてよぉ~
お願いっっ!」

「うん、いいよ!」

「ありがとうぉ~っ茜~!」


そう言うとリサは抱きついてきた


そうしてテスト明けからリサの家で
マフラー製作を手伝う事になった