一年二組




「あーーー!蒼生先輩にクッキー受け取ってもらえたっっ!もう幸せすぎぃ!」



教室につくなりリサは騒ぎだした



「湊くん甘いもの好きって言ってたし、絶対喜んでるよ!」


私達は席が前後で、毎朝リサが湊くんの事を話すのを聞いてあげていた



「それにしても、いいなぁー茜はっ!
蒼生先輩にお迎えしてもらえるなんて~」

「幼なじみだから、湊くんも妹みたいな私が心配らしい」

「私ももうすこし家が遠かったら、もっと朝話せるのにー」



リサの家は学校に近く十分程度でついてしまう距離だ


「私はリサが羨ましいよぉ~。毎日遅刻の心配ないんだもん」




そんな話をしていると先生がやってSHRが
始まった







キーンコーンカーンコーン…





四限目の終了を伝えるチャイムが鳴り
生徒たちは昼休みにはしゃいでいる


「茜っ!学食いこっ!」


うちの学校には大きな学食があり、
生徒は大体そこへ集まる








「あ、蒼生先輩だ!茜っ、あそこ行こ!」



リサは友達と2人で座る湊くんを見つけると、向の開いてる席に向かった



「蒼生先輩~!ここ、一緒に座ってもいいですか?」


湊くんは顔を上げ私達を見るとにこりと笑い、どうぞと言った




「いやー、可愛い一年生とご飯とか今日ついてるな~」


軽く冗談を言いフレンドリーに接してくれるのは湊くんの友達で、よく一緒にいる
三嶋澪二(ミシマレイジ)先輩だ



「茜ちゃんは良く知ってるけど、こっちの子は~」

「仲野リサです!三嶋先輩ですよね?」

「わ!知っててくれたの?俺有名人かな~」

「ふふっ、先輩達はサッカー部のイケメンで有名だからですよっ」



そう湊くんと三嶋先輩はうちの高校でも有名な方だ

リサも美人で知られている方だから
そんな三人の中に居て急に居心地が悪い感じがしてきた



「そういえば、蒼生先輩!クッキー食べてくれましたか?」

「あ、あぁ。美味しかったよ」

「なになに、お前!そんなの貰ってとなんて羨ましいぞ!おいっ」




「みてみて、あそこ!蒼生先輩と三嶋先輩がいる!」

「リサちゃんといるのか~美人は集まるよね~」



ヒソヒソと周りで声が聞こえ
一旦ここから離れたくなった




「あ、そういえば私、飲み物買いたいんだった!ちょっと自販機まで言ってくる!」

「え、茜?ついて行こうか?」


湊くんが言ってきてくれた

でもそんなことしたら、目立っちゃうし
何よりリサが心配だ


「いい!すぐ戻るからっ!」



そう言い残すと走って食堂から出た