テスト最終日が終わり
今日からリサのマフラー作りのお手伝いだ

今日はマフラーの毛糸を買いに手芸屋に行く予定



リサが先生に呼び出しされたため
私は1人校門前で待っていた





「茜!!」




大きな声で呼ばれて振り返ると
湊くんが走ってきた


「湊くん!どうしたの?」


普段落ち着いてスマートなイメージの湊くんと違い、走ったから息が荒れている


「茜、いつも一緒に帰ってるのに
今日は待ち合わせ場所に居ないから心配したんだ。」



入学してから登下校はほぼ一緒で
帰る時は生徒玄関のすぐ横にある銅像の前で待ち合わせをしていた


湊くんは一応サッカー部に入っているが
うちの高校のサッカー部はほぼ愛好会的なノリのため、気が向いたら出ているみたいだ



「あれ?メールしてなかったっけ?
今日からしばらくリサの用事に付き合ってあげるから一緒に帰れないんだ。」


私メールし忘れてたのか…
湊くんに悪いことしたなぁーと思っていると


「せっさく久しぶりに一緒に帰れるんだよ?ほらこの前言ってたクッキー、家に食べにくるだろ?」



久しぶりなのは事実だけど…
なんか…




「湊くん、前から言おうと思ってたんだけど、無理して一緒に帰ることないんだよ?」



「え…?」



いつも思ってた
湊くんは私を心配しすぎて、自分を犠牲にしている所があるんじゃないかって


「部活だって、ほんとはもっと出たいんじゃないの?放課後に友達とあそんだり…」

「なに言ってるんだよ…茜、そんなふうに今まで思ってたのか?」


湊くんは複雑な表情をしながら私を見つめる


その後ろからリサの姿が見えた



「兎に角、しばらくは送ってもらわなくてもいいよ!たまには自分の時間を大切にして!」


「あ、ちょ、茜っ!…」


そう湊くんに言い残すと
リサの腕を引き買い物へ向かった