キスをお先に、頂きました




雪が強くなってきた。



朱加が扉を開けて出てきた時、二人の会話が聞こえる。






「……朱加、髪切ったんだね。バッサリじゃんか」



「うん……」





そうなのか……?




――すごく、見たい。






「すごく似合ってる。可愛い」



「ありがとう…」





いや、駄目だ。



今出てきたら、せっかく栞菜が立ててくれた戦略がダメになってしまう。



衝動に駆られるがそこはぐっと堪えて、



物陰に隠れたまま。