キスをお先に、頂きました




◆  ◇  ◆



カフェであんなに強く決意をしたのに、当の本人を目の前にすると、決意が揺らいでいた――…。





「そ、れでね、ほら、もうすぐ、クリスマスだよね?」


「うん」






私の挙動不審な態度にも頷いてくれる。



遥葵の表情は、怖くて見れなくて――。





5時を過ぎた夕方の道は、もう陽が落ちていた。





とても寒い。



ああ、せめてもう少し暖かかったら。



寒さが私から、勇気を奪っていく感じ。