キスをお先に、頂きました




「……確かに、付き合ってる意味はないかもしれないけど…、

遥葵が好きだから、私…だから、告白したのに…。


私、遥葵が好きだから、今日だって…っ、クリスマス一緒に過ごして欲しいって……頼もうとしたのに……」




そんな朱加の言葉は、まったく俺の考えを逆走していた。





俺のことが好き?



クリスマス、一緒に?



…そんな風に、思ってたのか?






俺が朱加に詳しく確かめる前に、朱加はそう言って走っていく。






「あっ、おい!?」






言い逃げをしたいらしく、止めたけれど当然止まらなくて。






……俺が追いかけられなかったのは、



この状況に頭が追いつけない自分と、



勇気のない自分が朱加を追いかけるのをためらったからだった。