キスをお先に、頂きました





「遥葵……やめてよ…」






遥葵は…栞菜のことが好きなんでしょ?



なんで抱きしめるの?





私の言葉を無視するように、



遥葵は私の背中をキツく抱きしめた。





私はその腕力に、何事かと思うほど。







だけど、



遥葵の背中は何故か震えていて……



私はそっと、遥葵の背中に腕を回していた。






こんなに寒いのに、遥葵はあたたかく、遥葵の香りがして、




ドキドキして……もうなにが起きているのかわからない。









「――朱加の気持ち、あの日、初めて知った」







遥葵の声は温かく、優しく言った。




あの日……とは、私が遥葵に想いをぶちまけた日だろうか。